こんにちは、lizard.kです。
先日、ビル・ゲイツ氏の地球温暖化問題に関する著書、『地球の未来のため僕が決断したこと』を読んでとても刺激を受けたと書きました。
ただ、これって欧米の都合がいいように書かれているんじゃないの?とか日本の状況はどんな感じなんだろうといった疑問も湧いてきます。
新しいことを知るときには立場の違う人が書いた本を並行して読むことにしているので、今度は日本人の書いた本を読んでみました。
『グリーン・ジャイアント 脱炭素ビジネスが世界経済を動かす』森川 潤 著、文藝春秋刊(2021/9/17)という本で、著者はNewsPicksの副編集長をされている方。新書なのでさらっと読めます。
タイトルにもなっている『グリーン・ジャイアント』とは、ネクステラ・エナジーなどの再エネの巨人のこと。聞かない名前ですが、2020年に時価総額でエクソン・モービルを上回ったこともある企業だそうです。もう、そういう時代なんですね。
内容的にはビル・ゲイツ氏の著書と重なるところも多かったですが、特にこの本で良かった部分は2005年の京都議定書の頃は環境問題対策の先陣を切っていたはずの日本が、なぜ脱炭素後進国に落ちぶれたかという第7章です。
東芝のウエスチングハウスの買収など原発に舵を切っていた日本が、福島第一原発の事故をきっかけに世の流れに逆行して火力発電に依存せざるを得なくなり、さらには買収したウエスチングハウスで不正会計が発覚するなど、これでもかというくらいグダグダの対応が続きました。
またそれ以降、最新鋭の原発を導入する議論を避け、なし崩し的に再稼働を進めていく姿勢にも日本的な事なかれ主義が表れているように思います。
途中、日本と大きく異なる点として、アメリカのZ世代が気候変動対策に関心が強く、行動にも繋がっているところが挙げられています。そして、アメリカ政府もこれらの声を無視できなくなっているとのこと。
将来、有権者として今の若者が過半を占めていくことになる米国と、少子高齢化によって高齢者が大半を占め続ける日本の未来を暗示しているようで悲しいですね。
もはや「欧州が得をするだけの仕組み」だとか言ってる場合じゃないのがよく分かりました。
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