【読書メモ】『地球の未来のため僕が決断したこと』ビル・ゲイツ著

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こんにちは、lizard.kです。
昨年は車通勤中にオーディオブックを聞く生活が定着し、結構良いペースで読書できていたのですが、今年は勤務地が変わったことで電車通勤になり、前ほどオーディオブックに集中できなくなってしまいました。

図書館で借りてきた本や、タブレットで電子書籍を読むようにスタイルを変え、ようやくペースも戻ってきましたので、これを機に読書メモを付けていこうと思います。

これまでもときどき書いていましたが、大したことを書くわけではなくても、アウトプットするのってそれなりにエネルギーを使います。

ただ、そのとき何を感じていたかとか時間が経つと忘れてしまいますからね。改めてブログを読んでみると、そのときどきの自分が置かれていた状況や関心を持っていたことが蘇ってくるので、書き残しておいて良かったと感じます。

というわけで、第1回は『地球の未来のため僕が決断したこと 気候大災害は防げる』ビル ゲイツ著、早川書房刊(2021/8/18)です。

これまで私は地球温暖化問題にはあまり関心が無く、ビル・ゲイツ氏が書いた本だから読んだというのが正直なところです。

毎年、世界の大気中に増える温室効果ガスは510億トンだそうで、ビル・ゲイツ氏はこれをゼロにしなければならないと本書で繰り返し説いています。

昨年10月、日本も2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、カーボンニュートラルを目指すことを宣言しました。自民党総裁選でもたびたび取り上げられていたテーマですが、これが一体どういうことなのか、ほとんど私は知りませんでした。

次のグラフをご覧ください。

例えば温室効果ガスの削減といえば、EVとか太陽光や風力発電を思い浮かべますが、もっとも排出量が多いのは「ものをつくる」ことによるものだそうです。

また、「ものを育てる」ことによる排出(牛のげっぷや豚の糞尿など)も大きな割合を占めています。

「ものをつくる」、「電気をつかう」、「ものを育てる」、「移動する」、「冷やしたり暖めたりする」、これら5つの温室効果ガスを排出する活動すべてに解決策が必要だとゲイツ氏は書いています。

こういった事実をデータによって示しながら、原子力発電の是非などイデオロギーが絡む微妙な問題まで、分かっていること・分かっていないこと、今すぐできること・イノベーションが必要なものを示していきます。

また、ゲイツ財団でこれまで病気や貧困問題に取り組んできた著者ならではだと感じるのが、低所得国の発展が重要で、その成長をサポートしながら温室効果ガス排出ゼロを目指すという姿勢です。

決して悲観せず冷静に、やるべきことをデータに基づき述べていくスタイルは、ハンス・ロスリングの『FACTFULNESS』に似ているなと思って読んでいましたが、果たして巻末に『FACTFULNESS』について述べている箇所がありました。

気候変動の脅威が迫るなか、未来を楽観視するのはむずかしい。しかし、僕の友人で国際保健の活動にも力を入れた教育者、故ハンス・ロスリングが驚くべき著書『FACTFULNESS』に書いているように、「事実に基づいて世界を見れば、世の中もそれほど悪くないと思えてくる。これからも世界を良くし続けるために僕たちが何ができるかも、そこから見えてくるはずだ」。

自分一人で出来ることなんてたかが知れていますが、ここに書かれているように事実を関心を持って知るところから始まるのではないでしょうか。

この本を読んだことをきっかけに私は今後新聞やニュースを見る目が変わると思います。例えば、温室効果ガス削減の数字を目にしたら、それが510億トンの何パーセントなのかを考えるようになるはずです。

年齢的に2050年のカーボンニュートラルをぎりぎり見届けられることが出来るかどうかですが、「なんとかなるだろう」というようないい加減な態度ではなく、関心を持って世の中を見ながら自分の出来ることをしていきたいと感じました。

クリーンなエネルギーへの置き換えが進むのが前提ですが、次に車を買い替えるとしたらEVになるのかなー。

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