P67とH67の機能を両立した「全部入り」チップセット、Z68がとうとう発売されました。目玉のひとつがLucid Virtuを使ったCPU内蔵グラフィックスとビデオカードの切り替えです。
このVirtuというソフトウェアはH67/H61でも使えるようなので、手持ちのASRock H67DE3で試してみることにしました。
ちなみにこれまでは、内蔵グラフィックと単体ビデオカード両方をモニターに繋ぎ、[画面の解像度]から切り替えて使っていました。別にまとめてありますので、興味のある方は御覧ください。
【関連記事】H67でSandy Bridgeの内蔵グラフィックと単体ビデオカードを共存させる
Virtuの使い方ですが、内蔵グラフィックと単体ビデオカード双方のドライバーを入れて使えるようにしておき、UEFIからIGD Multi-Monitor(項目名はASRockの場合)の設定をEnabledにするところまでは上記の方法と同様です。事前にデバイスマネージャで両方のディスプレイアダプターが認識されていることを確認しておきましょう。
Virtuを使う場合は内蔵グラフィックと単体ビデオカードの両方をモニターに繋いではいけません。
UEFIでPrimary Graphics AdapterをOnboardに設定してマザーボード側にモニターを繋ぐとi-Mode(iはintegratedの意味)、Primary Graphics AdapterをPCI Expressに設定してビデオカード側にモニターを繋ぐとd-Mode(dはdiscreteの意味)になりますので、どちらかを選択する必要があります。
VirtuはLucidLogixのサイトや、マザーボードベンダーのサイトからダウンロードできますので、OSに合わせてインストールして下さい。
【2011-6-9更新】LucidLogixのサイトからVersion 1.2.102がダウンロードできるようになりましたので、リンク先を変更しました(あまり違いを感じませんが、、、)。
インストール後、再起動するとデスクトップ右下の通知領域にVirtuのアイコンがあるはずです。右クリックして[Open control panel]で起動します。以下では i-Mode と d-Mode に分けて説明します。
【i-Mode の場合】
i-ModeではVirtuをOFFにするとProcessor Graphicsだけになります。
VirtuをONにして、Dicrete Graphicsも有効にします。
対応ソフトにはゲームやベンチマーク類がずらっと並んでいます。本来は自分で追加や削除も出来るようなのですが、H67だからなのか下にあるボタンが使えません。
対応リストに載っているゲームを起動するとVirtuロゴが表示され、自動的に単体ビデオカードに切り替わります。
普段は内蔵グラフィックが使われるのでQuick Sync Videoによるハードウェア・エンコードが使えます(TMPGEnc Video Mastering Works 5、MediaEspresso 6.5 どちらもOKでした)。
【d-Mode の場合】
d-ModeではVirtuをOFFにするとDicrete Graphicsだけになります。
VirtuをONにして、Processor Graphicsも有効にします。
対応ソフトはご覧のとおり少なく、MediaConverter 7とMediaEspresso 6.5のみ。残念ながらTMPGEnc Vodeo Mastering Works 5には対応していません。H67だからなのか、下にあるAddボタンが使えずお手上げ状態。
MediaEspresso 6.5を起動するとVirtuロゴが表示され、自動的に内蔵グラフィックに切り替わります。Quick Sync Videoによるハードウェア・エンコードもOKでした。
ちなみにTMPGEnc Video Mastering Works 5でも試してみたところ、やはり非対応ということでQSVは使えませんでした。
以上のようにVirtuを使えば簡単に内蔵グラフィックと単体ビデオカード共存できるので、Z68に限らずH67/H61をお使いの方も試してみる価値はあります。私の場合、TMPGEnc Video Mastering Works 5でQSVが使えないと困るのでi-Modeに設定しました。下記のレビュー記事を見る限り、i-Modeの方が省電力ということも無さそうですが、直接ビデオカードに出力するd-Modeと比べても3D性能の低下は少ないようです。
【参考記事】
- イマドキのイタモノ:“P67”“H67”入りましたっ──ASUS「P8Z68-V PRO」で“Z68”を試す! (3/4)
- 多和田新也のニューアイテム診断室:Sandy Bridge向けチップセットの機能を集約した「Intel Z68 Express」
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コメント
はじめまして。通りすがりですが記事を拝見しました。
LucidVirtuでADD/EDIT/Removeのボタンが押せるようになる条件は、
BIOS内に、LucidVirtuのライセンスコードが埋め込まれている事が条件になります。
蜥蜴さん(でよろしかったでしょうか)の場合、
お使いのマザーボードのBIOSがライセンスコードを含んでいないため、
LucidVirtuが体験版としてインストールされており、
一部機能が使えない(ADD/EDIT/Removeが押せない)状態となっている筈です。
対応についてはM/Bメーカ次第となるようです。
ちなみに30日経過すると、LucidVirtuが体験版の場合、
機能しなくなるという話しもきいておりますため、
使い方は若干注意が必要かもしれません。
なお、対応しているBIOSでLucidVirtuを動かした場合、
TMPGEnc Video Mastering Worksを追加すれば、
d-modeでQSVエンコードが動作する事を確認しています。
ご参考まで。
貴重な情報ありがとうございます。BIOSが対応していればアプリも簡単に追加できそうですね。
他にもIn-Game Iconが消せなくて邪魔だったりと、今の状態では常用するのは厳しいかなと思っています。
ご返信ありがとうございます。
ですよね。。ロゴが。。
BIOSがライセンス対応ならば、
ロゴも消せるのですけどね><