日経を読むようになったのは、ビジネススクールに通っていた頃だから6年前くらいだろうか。経営学の知識だけでは分からない部分があったので、その後独学で経済学をかじってだいぶ読みこなせるようになってきた。
面白いもので意味が分かるにつれ、逆に読む場所は減ってくる。普通の記事は見出しを見て、興味を持ったものをざっと読む程度。むしろ、愛読しているのは『経済教室』や『大機小機』などのコラム、『私の履歴書』などだ。あとは、重要な数字をチェックするだけ。
これは前に実践していた競馬新聞の読み方と一緒。読んでいるうちに、調教師のコメントや記者の予想がいかに当てにならないか分かってくる。そして、必要なのは馬柱と調教タイムだけだということに気付く。今となっては日経を隅々まで読んでいるなんてのを聞くと、競馬新聞を隅々まで読んでいるのと同じで、時間の無駄使いだなぁと思ってしまう(一緒にするなと怒られそうだけど ^^;)。
日経で競馬新聞の馬柱や、調教タイムにあたるのが月曜の朝刊に載る『景気指標』。GDPをはじめ、景気・雇用・金融・物価等のバロメーターが所狭しと並んでいます。幾つかの数字はこれまでも注意して見ていたのですが、定義や使い方が分からない指標も数多い。勉強するのに何か良い本はないかと思っていたこところ、素晴らしく分かりやすい本を見つけたので読んでみました。
同種の本は過去にもありましたが、この本の良いところは各指標の関連性や使い方が分かりやすく書かれているところ。載っている数字を左上から順番に説明していくのではなく、「この数字を見たらここも一緒に見よう」というのがテーマごとに書いてあります。
この本を片手に景気指標を辿ると、リーマンショック以降の不況の様子が手に取るように分かります。言葉で説明されるより、生データを追うことで別次元のリアリティで迫ってくる感じと言えば伝わるでしょうか。
数字を見て仮説と検証を繰り返すのは頭の体操にもなり、すっかり毎週月曜の朝刊が楽しみになってしまいました。新聞やニュースの内容を、数字で裏付けながら理解したい方にお薦めです。
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