検出率で選ぶウイルス対策ソフト 2010年版

私はわりと頻繁にセキュリティソフトを変更する方だと思います。
どのソフトも完璧ということはありえないので、どれか一つに偏るのはリスキーだと考えているからです。実際、別のソフトに替えてフルスキャンしたらウイルスが見つかった経験も何度かあります。

ここ数年はavast!を愛用していたのですが、昨年末に大量に誤検出を起こしたことがきっかけで、AV-Comparatives（アンチウイルスソフトの独立系テスト機関）のレポートを参考に改めてソフトを選んでみました。

下の表は昨年から今年にかけてのテスト結果をまとめてみたものです（クリックすると拡大します）。記号は優秀な方からADV+(Advanced+)、ADV(Advanced)、STD(Standard)、無印(Tested)の順となります。K7、Panda、PC Tools、Trend Microの4製品は今年からテストに加わったため、昨年のデータはありません。

AV-Comparativesが行っているテストを少し説明すると、主なものには2月と8月に行われるOn-Demand Testと、5月と11月に行われるRetrospective Testがあります。
On-Demand Testはその時点で最新の定義ファイルを使うのに対して、Retrospective Testは3か月前のOn-Demand Testで使用した定義ファイルを用いるのが大きな違いで、On-Demand Testは既知のマルウェアに対する検出率を測り、Retrospective Testでヒューリスティックなど未知のマルウェアに対する検出率を調べています。
もちろん、たくさん検出すればするほど漏れは減るので、誤検出が多いものにはペナルティを与えて評価されます。

この他に速度や負荷を調べるPerformance Test、上記のテストには含まれないSpywareやAdwareの検出をテストするPUA Test、検出後の駆除について調べるRemoval Test、現実に近い状況でスイート全体の性能を調べるDynamic Testなどが行われています。

この中でも普段重視すべきなのはRetrospective TestとPerformance Testでしょう。次々と新種のウイルスが誕生する状況では、未知のウイルスに対する検出率が強く、動作が軽いものが望ましいと思います。本来はDynamic Testの結果も重視すべきなんでしょうが、まだデータが少なくてどう評価すればいいのか難しいところだったので今回は参考程度に留めました。

そして、フルスキャンをかけるときにはOn-Demand TestとPUA Testの結果が優れているものが良いでしょう。Removal Testは検出後の話なので今回は無視することにします。

このような観点から選んでみると、次のような結果になりました。もちろんソフトの優劣は検出率だけで決まるものではありませんが、一つの目安にはなると思います。

●少しでも性能が高いものを望むのであれば、バランスを重視して
Kaspersky Internet Security 2010、
ESET Smart Security V4.0、
ノートン インターネット セキュリティ 2010
の中から選ぶのが良さそうです。

●一切お金をかけたくない。無料のソフトに限るというのであれば、
　Microsoft Security Essentials がお薦め。
時々、ノートン インターネット セキュリティ 2010の体験版でフルスキャンすればなお良いでしょう。

詳細はリンク先をご覧いただくとして、それぞれの特徴を簡単に記しておきます。

どのソフトも体験版があります。最初に書きましたが完璧なソフトというのはありえませんので、まずはご自分で試してみることをお薦めします。